”ほしのこえん”という園で子どもたちが七夕の願い事を短冊に書いて飾るというイベントを絵本にしたものです。
おばあちゃんっ子な女の子、あおいちゃんが主人公。
先生から”本当に素敵な願い事”について聞いたあおいちゃんは、どういう願い事なのか一生懸命考えます。
そして、おばあちゃんにヒントをもらいながら、あおいちゃんは”本当に素敵な願い事”を見つけるのです。
まぁ〜あおいちゃんがいい子!
特にあおいちゃんがおばあちゃんに向かって走っていくシーン、いい子すぎます。
自然とあおいちゃんを応援してしまうでしょうし、涙なしでは読めません。
また「七夕の願い事なんて叶ったためしがないよ」という記憶があり、七夕から遠ざかっていたという方にもぜひこの絵本を読んでほしい!
「あ〜七夕ってこういうことをお願いするんだった〜」と感じ「また願い事、したためようかな」という気持ちになるはず!
感動七夕絵本『たなばたのねがいごと』本当にオススメです。
そんな七夕の絵本を紹介していますが、七夕ってそもそもどんな日だったのか覚えていません。
そこで七夕が一体どんな日だったのか復習していきたいと思います。
恋の病
一般的な七夕のお話といえば”織姫と彦星は仲が良すぎて働かなくなってしまい、神様が怒ってふたりは引き離されたが、一生懸命働くことで年に1度七夕の日に再会することが許された”というものでしょう。
このラブストーリーは、江戸時代以降に庶民へと七夕が広まった後にこの形に収まったようです。
そもそもの七夕の起源については諸説ありますが、縁結びの神様として知られる京都地主神社のホームページにはこ以下のように紹介されています。
(1)もともと日本の神事であった「棚機(たなばた)」と(2)おりひめとひこぼしの伝説と(3)奈良時代に中国から伝来した「乞巧奠(きこうでん)という行事があわさったものと言われています。
(1)の”棚機(たなばた)”とは、乙女が着物を織って棚にそなえ、神さまを迎えて秋の豊作を祈ったり人々のけがれをはらうという禊行事でした。
(2)の”おりひめとひこぼしの伝説”とは、夜空に浮かぶ星にまつわる伝説です。
裁縫の仕事をつかさどる”織女星”と農業の仕事をつかさどる”牽牛星”は、旧暦7月7日に天の川をはさんで最も光り輝いているように見えることから、中国で生まれたロマンチックな伝説と言われています。
(3)の”乞巧奠という行事”は、中国の行事で7月7日に織女星にあやかって、はた織りや裁縫が上達するようにとお祈りをする風習から生まれ、しだいに習いごとの上達を願うようになりました。
と以上のような沢山の要素があわさったことで、素敵なお話と風習が根付いたわけですね。
しかしながら、年1回しか会えないくらい仕事をサボったってすごいですよね。
ずーっと昔から恋をすると、何も手につかなくなってしまうとされていた…恋の病恐ろしや(笑)
なんだかみんなが優しくなれる絵本
『たなばたのねがいごと』は、もちろん子どもたちにも読んでほしいと思います。
でも、大人の方にも読んでほしい。
この絵本を読んでわたしは、日々のなかで子どもは色々なものを感じ取り、自然に成長しているんだと感じました。
だから、過保護になってもいけないし、もちろんその成長をちゃんと見守らないといけない。
なによりも親や親戚じゃなくても子どもに関わった時点で、なにかしらの影響を与えているかもしれないと考えて行動しないといけないんだと改めて学びました。
なかなか「子どもの手本になれるように」と言われても素直になれない大人の方の心をうつストーリーだと思います。
わたしもどこで子どもたちに見られているかわからないので、3秒ルールなどは控えなくては…(笑)
『チャーシューの月』作者、村中李衣さんの優しいお話と『なきごえバス』作者、えがしらみちこさんの優しい絵で、読むとなんだか優しくなれる絵本です。
七夕の時期にぜひ読んでみてください。