気がつけば笑っている『たあんきぽおんきたんころりん』文:長谷川摂子/絵:降矢なな(福音館書店)

たあんきぽおんきたんころりん 《daze》ボーっとしたいとき
画像出典:福音館書店

言葉あそびの絵本です。

「たあんきぽおんきたんころりん」をはじめとする韻を踏んだクセになる言葉で彩られ、ついつい読み返したくなります。

この絵本は、ひとつの長いお話ではなく、13の短編が1冊に収まっているような感じ。

楽しいことばで綴られた短い文章の中に、ストーリーを感じ取ることができます。

また、ちゃんとオチがついているお話が多く、ボーッとしていてもつい笑ってしまう。

それに加えて、絵が最高です!

表紙のスイカとカボチャといった顔などついていないキャラクターもいますが、基本的にはおもしろおかしいお顔をしています(笑)

タヌキとキツネの泣き顔やずっと困っているゾウなど、絵と言葉がピッタリ。

わたしは特に、5つ目のお話に登場するじゃがいも3兄弟が好きです。

1冊の絵本の中でわずか3シーンしか描かれないキャラクターなのに、個性にあふれています。

かわいいし、面白い!

ぜひ読んでほしい絵本です。

そんな魅力的な絵本のタイトルにもなっている「たあんきぽおんきたんころりん」という言葉、 聞いたことのある方もいるのではないでしょうか。

実は「たあんきぽうんき」や「たあんきぽーんき」という歌詞の出てくる童謡が存在します。

わたしは、聞いたことも存在することも知りませんでした。

でも、有名な方が作っていたんです!

そして意味があると思っていなかった「たあんきぽおんきたんころりん」という言葉にも、意味があることが判明。

調べてみたら、自分にはない感性で衝撃でした!

考えても分からない

「たあんきぽおんき」という歌詞が出てくる童謡が、2つ存在します。

ひとつは”作詞:北原白秋さん/作曲:中山晋平さん”の『たあんきぽうんき』もうひとつが”作詞:山村暮鳥さん/作曲:中田喜直さん”の『田圃にて』です。

※正確には、北原白秋さんの詩に山田耕筰さんが曲をつけられた『たあんきぽうんき』も存在します。

さすがにわたしも北原白秋さんの名前くらいは知っています!

すごい人!

「たあんきぽおんきたんころりん」について、明確な意味が書かれているのは、北原白秋さんの『白秋全童謡集Ⅲ』しかありません。

そもそも童謡のなかの言葉、つまり歌詞であるため、その意味まで説明されていないのかなという印象です。

さて、その白秋全集の中には「たあんきぽうんきたんころりん」は【カラスがタニシをつっつく音】との注意書きがあります。

えー!!

これはもう当たるわけない!

田んぼに囲まれて生きていましたが、残念ながらそのような音は聞いたことないですね。

といいますか、そもそもカラスが何かしようとしているところに怖くて近づけません(笑)

しかしながら、作詞:山村暮鳥さん/作曲:中田喜直さんの『田圃にて』の歌詞も「たあんきぽーんきたんころりん たにしをつっつく からすどん」となっていますので、カラスがタニシをつっつく音という認識で良いのかなと思います。

作品自体は、山村暮鳥さん/中田喜直さんのものが先に作られ、北原白秋さんは山村暮鳥さんの詩から「たあんきぽうんき」という造語を借りて別の詩を作ったということらしいです。

温かくなったら実家に帰って、田んぼで音を確かめられればいいなと思っています…遭遇できれば。

絵本作家になる練習?

不思議な言葉と、不思議な絵がたまりません。

詩のことばだけでも楽しめる絵本です。

でも、降矢さんの絵がつくことで単純な言葉あそびではなく、物語に変身します。

さらに楽しいのは、自分で短い物語の前後を考えられること!

例えば、ぞうさんが自動車で堂々めぐりするお話は、絵を見ながら堂々めぐりの理由を考えることができます。

そして、ぞうさんはどこに行きたいのか、ぞうさんが堂々めぐりしている街の住民はどう思っているのかなど、短いお話を自分で長くしてみたり。

小さい頃から、こんな考え方ができれば、絵本作家さんになれたかもしれないな…と淡い期待を抱いたりもできます(笑)

どこまで考えるのは人そぞれですが、読み出すときは特に心構えもいらず、ただただ”読む”ということができる絵本です。

想像力が爆発するかもしれない絵本『たあんきぽおんきたんころりん』をぜひ読んでみてください。

《daze》ボーっとしたいとき
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