終わったときがいちばん幸せ『きょうはソンミのうちでキムチをつけるひ!』文:チェ・インソン/絵:パン・ジョンファ/訳:ピョン・キジャ(セーラー出版※現:らんか社)

きょうはソンミのうちでキムチをつけるひ!《hungry》食欲をわかせたいとき
画像出典:らんか社

韓国の年中行事”キムジャン”を描いた絵本です。

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キムチの作り方

キムジャンとは、冬の間に食べる大量のキムチをいっぺんにつくることをいいます。

そして、キムジャンではキムチの量はもちろん種類もたくさんつくるため、近所さんたちと一緒につくるんだそう。

絵は、水色や紫色で顔が描かれていたり、ネズミの顔がめちゃくちゃ尖った三角形だったりと、おもしろオシャレ系。

お話は、何か展開があるようなものではなく、楽しく簡単にキムチの作り方を学ぶことができる内容です。

ほんとうにしっかりとキムチの作り方を描いてくれているので「もしかしたらキムチ作れちゃうかも」と一瞬思います。

しかし、その期待は「とうがらしのつぼ」という言葉で消え去ることに(笑)

やっぱり韓国のご家庭には唐辛子が常備されているんですね。

ソンミたちがキムジャンを終えた後に、残ったキムチの具材を食べている様子がとてつもなく美味しそうです。

キムチの知識を身につけながらもお腹がすく絵本は、やっぱり韓国の方が作者です。

これだけの知識をお持ちなので、予想通りでしょうか。

でも、韓国の絵本はまだ見たことないという方も多いと思いますので、どんな方々が作られているのかみていきましょう。

日本で読めるのは特別

文を書かれているチェ・インソンさんは、童話作家として活躍されています。

韓国のセムト社主催の「オンマが書いた童話賞」と創作と批評社「よい子どもの本公募」でそれぞれ入選されました。

絵を描かれているパン・ジョンファさんは、絵本の画家をされている方です。

第2回出版美術大展で銀賞を受賞されています。

また、翻訳を担当されているピョン・キジャさんも韓国の方。

なんとピョン・キジャさんが『こいぬのうんち』(平凡社)や『かぜひいちゃった日』(岩崎書店)といった韓国の絵本を日本に紹介してくださったとのこと!

こういう方がいないとどうしたって外国の絵本は読めないわけですし、もう感謝しかありません!

作者の方々のことを調べてみても全然情報がないですし、やっぱり外国の絵本を読めることは特別なんだと感じます。

今まで自分が読んできた有名な外国の絵本も、きっと日本で読めるようになるまでにはさまざまな努力があったんだろうなと、なんだか改めて感動してしまいました。

脱線しましたが、この『きょうはソンミのうちでキムチをつけるひ!』には、キムチの歴史やキムチの種類についての解説も載っています。

読んで驚いたのは、キムチは生まれた当初ただの塩漬けだったということ!

それが、唐辛子の登場などにより徐々に進化していき、19世紀頃には現在のキムチのかたちになっていったそう。

唐辛子が韓国にやってきてくれて、ほんとうによかった!

そして日本でも普通に食べられるようになってよかったです!!

絶対にまねしたくなる!

この絵本は、キムチの作り方を解説しています。

いままで読んできた解説型の絵本はどちらかと言うと図鑑や教科書に近いような感じで、書いてある文字も”解説感”が強いものでした。

しかし『きょうはソンミのうちでキムチをつけるひ!』は、解説感が少ない!

ソンミたちがキムチ作りをしている時のセリフとして説明があるので、より読み物として感じやすいです。

個人的にはこういったセリフで解説してくれる方が、絵本感があって楽しいなと思いました。

もちろん今まで読んできたような解説絵本は、図鑑の入り口にもなるでしょうし、より細かな情報を得られることが多いです。

ただ、個人的には”絵本”として読むのであればセリフ解説のほうが楽しいかなと思います。

特にこの絵本は「絶対にソンミとお父さんはこの作業サボってるでしょ?!」というページがあったりして、おもしろい。

そして、そんなおもしろキムチ絵本は、誰もがキムチが食べたくなる魔力をお持ちです。

特に、キムチが完成し、かめへの収納が終わった後のシーンがたまりません!

はくさいに余ったキムチの具を乗せて、更にゆで豚をのせて食べているんです!

「それ、食べたい!」と感じ、信じられないくらいの唾液が出てきます(笑)

ビックリするくらいキムチが食べたくなる絵本『きょうはソンミのうちでキムチをつけるひ!』をぜひ読んでみてください。