おとうふやさんの仕事場見学。
福音館書店のかがくのとも絵本の1冊です。
絹と木綿の違いがよくわかる
絹豆腐と木綿豆腐は、どちらがお好きでしょうか。
わたしは完全に絹です!
あのなめらかな食感がたまりません。
しかし、どうやって2種類の豆腐を作り分けているのかは、知らなかったです。
その答えが、この絵本に!!
さらに、油揚げやがんもどきなどの豆腐の派生品の作り方まで描かれています。
正直考えたことすらなかったのですが、すごくわかりやすくて、豆腐のことをどんどん知りたくなる!
なによりも、見ていて楽しいです。
わかりやすいのはもちろん、その場にいるかのような躍動感や、真剣な表情から空気の張りつめた様子まで伝わってくる絵がスゴイ。
そしてなによりも、お腹がすく!
できたての豆腐や豆乳、そしてあげたてのあぶらあげの作られる様子が、ほんとうにおいしそう!
豆腐ができる様子といっしょに豆腐屋さんの開店準備の様子も学べます。
この絵本を読んで「豆腐屋さんの職人技を間近で見てみたい!」と思いました。
でも今見られるようなお店が浮かびません。
そこでいわゆる”まちの豆腐屋さん”の現状を調べてみました!
まちの豆腐屋さん
最近、絵本のようなまちの豆腐屋さんを見かけることがありません。
豆腐を買うのはスーパーでのみ。
多くの方がそのスタイルになっているのでしょう。
いろいろな食材を別の店で買う”商店街”がなくなってきているのが、その傾向を裏付けていると思います。
では、具体的な数はどれくらいなのでしょうか。
全国豆腐連合会(全豆連)によれば、豆腐事業所数は平成25年度に8,017軒。
昭和30年のピーク時には51,596軒もあり、6分の1以下になっています。
そりゃあ見かけなくなるはず!
ちなみに全豆連とは豆腐業界全体の振興発展などのために活動している一般財団法人で、活動内容は以下の通り。
(1)豆腐製品及び同製造業に関する技術の伝承・普及、調査研究、資料の収集・提供
全豆連HP
(2)豆腐製品及び同製造業に関する講習会・展示会・協議会等の開催
(3)豆腐製品製造業に関する開業相談
(4)豆腐製品及び同製造業に関する集会並びに会館の設置運営
(5)豆腐製品に関する業界及び豆腐製造事業者相互の連絡並びに福祉増進
(6)その他本法人の目的達成のために必要な事業
お豆腐の技術や伝統を残すため、業界を盛り上げるために活動されているのが、全豆連ということでしょうか。
以前、お豆腐はまったく同じ材料で作っても、別の職人さんが作れば同じものにはならないと聞いたことがあります。
なんでもそうだと思いますが、やっぱり技術を継承するってすごい大切ですよね。
スーパーの安売り豆腐で満足してしまっているわたしは何も言えませんが…
でも「ちゃんと作った豆腐、おいしいんだろうな」とは思います。
いつか見学がてら、ちゃんとしたお豆腐も食べてみたいと思った絵本でした。
静止画なのに!
さすが”かがくのとも”という図鑑のような詳しさがある絵本です。
豆腐作りの機械の躍動感がスゴイです!
特につぶして煮た大豆を”しぼりき”で、豆乳とおからに分けるところ!
静止画なのに、ほんとうにおからが落ちてきているような感じがします。
そして、豆腐屋さんが真剣に豆腐を切っているシーンは、なぜだかこちらも静かに見つめてしまう。
包丁がすすむわけでもないのに、こちらもつい真剣になってしまうほど絵が素晴らしい!
そして、みっちゃん家の朝ごはんが羨ましいほど豪華!
出てくる豆腐料理の数々が、食欲をそそってしかたがありません。
こんな朝ごはん食べたい!
起きれないので、ぜったいに無理ですが…
お豆腐屋さんの朝の早さに驚きと尊敬をおぼえる、おいしい絵本『おとうふやさん』ぜひ読んでみてください。