日本を代表するデザイナー、佐藤オオキさんが作られた絵本。
カフェオレを飲んでひと休みするはずが、スプーンが見当たらず ”どうしたらコップだけでカフェオレが作れるか” という疑問から ”コップってなんだっけ?” を考えるお話です。
頭を使いながらも楽しくなれます。
ページの色がカラフルです…素敵!
絵本の角が丸くカットされています…オシャレ!
出版はダイヤモンド社…なぜ?
こういった明らかに不思議だと思うことには、すぐに反応できます。
でも、当たり前になっているものについてはなかなか疑問をもてません。
この絵本を読めば、そんなあなたもデザイナーに…なんてことはさすがに難しいとは思いますが、当たり前を疑うきっかけにはなるはずです。
「ページの色が違う」「絵本の角が丸い」のはなぜでしょう。
考えてみると、結構楽しい。
しかしながら、なぜダイヤモンド社なんだと疑問に思ってしまうわたし…固定観念にとらわれすぎですね…この絵本、ボロボロになるまで読みます(笑)
ご存知の方も多いでしょうが、デザイナー佐藤オオキさんはどれだけすごい人なのでしょう、その活躍の一部分を紹介していきます。
次元がちがう
佐藤オオキさんは、早稲田大学理工学部建築学科主席卒業の男性。
主席!!
デザインオフィスnendoを早稲田大学大学院修了と同じ2002年に立ち上げ、ルイ・ヴィトンやエルメスなどのデザインも手がける世界的デザイナーです。
有名な作品には、バレエシューズのリボンをそのままスツールにした”ribbon”や”IHI company ad 2015”というIHI(旧 石川島播磨重工業)の企業広告などがありあます。
わたしが特にすごいな~と思ったのが、テレビで紹介されたコップです。
バラエティ番組に佐藤さんが出演されており、とあるカルピス好きな有名人の方のために、カルピスが美味しく飲めるコップを作ってプレゼントしていました。
そもそもの知識として、カルピスの飲み方は”カルピス1:水5の割合”が一番美味しいとされています…知らなかった!
佐藤さんのデザインしたコップは、花の形をしており、中に入れたカルピスの表面の形が変化することで、水の量を5倍に調整できるという仕組みでした。
さらにマドラー要らずで、軽くコップを回すと混ざり合うつくり!
もうさすがという言葉しか出てきません!
オシャレな見た目と利便性、そして面白くもあります。
コップという身近なものでこのようなまったく新しい発想がでてくるんだということに、改めて圧倒されました。
カフェオレとの相性バツグンな絵本
ワクワクして楽しい絵本です。
いろいろなコップが登場し「こんな発想あったんだな〜」と眺める中にあなたの理想のコップがあるかもしれません。
わたしは、クッキーが描かれているページのコップが欲しいです!
1ページ1ページをじっくり眺めたくなることと、絵本にしてはページ数が多いことから、すきま時間でパパッとは読めないと思います。
カフェオレなどを飲んで、ゆっくりと時間が取れるときに読むのがオススメです。
すべて読んだら、食い入るように飲み終わったコップを見ているでしょう。
デザインはもちろんですが、最後に書かれているお父さん・お母さんへのメッセージも素敵。
“日常を優しく疑い、そこから新たな発想を促す「デザイン目線」が身につくように考えました”
”日常を優しく疑う”という言葉、好きです(笑)
確かに厳しく疑ってしまったら、クレーマーになってしまいますよね、気をつけないと…
佐藤さんのメッセージまで読むと、この『コップってなんだっけ?』を小さなお子さんたちに教えてあげたくなります。
「オススメの本ある?」と小さい子どもに尋ねられるなんというチャンスが、いつ何時訪れるか分かりませんので、子どもがいてもいなくても準備しておきましょう!
絵も、色使いも、文も、なにもかも完璧なデザインの『コップってなんだっけ?』は楽しくなりたいときにオススメです。
また、おせっかいで前のめりなわたしと同じタイプの方は、いつの日かどこかのお子さんに教えるためにもぜひ読んでみてください。