すべてが絶妙なバランス!『ほげちゃん』作:やぎたみこ(偕成社)

ほげちゃん 《happy》楽しくなりたいとき
画像出典:偕成社

これは見方によって、かなり笑えたり、かなりゾッとする絵本です。

主人公は青いくまのぬいぐるみ、ほげちゃん。

持ち主のゆうちゃんは、ほげちゃんが大のお気に入りで、ほんとうに”何をするのも一緒”です。

小さな子どもと何をするもの一緒というのは、何を意味するのでしょうか…

家族が出かけた後に描かれる家の中のシーンを見ていると「そうだよね、相手の気持ちにならないとね」ということを改めて気付かされます。

しかしながら、ほんとうに何もかもが絶妙!

ほげちゃんのなんともいえない顔や名前から、お話の流れ、最後のオチに至るまですべてがちょうどいいバランスです(笑)

バランスの良さだけで”ぬいぐるみほげちゃん”の決してかわいくない顔というものをカバーできたのでしょうか。

きっとバランスだけではなく”ぬいぐるみほげちゃん”自身にも大きな魅力があるのだと思います。

そこで”ぬいぐるみほげちゃん”の魅力にフォーカスしながら、絵本の魅力についてより深く考えてみましょう。

この子、よく人気になったなぁ

表紙でお気付きの通り、ほげちゃんは決して世間一般的なかわいらしさを持っていません。

しかし、ほげちゃん絵本はシリーズ化されており、『ほげちゃん まいごになる』や『ほげちゃんとこいぬのペロ』という続編が出ています。

すごいんです、ほげちゃん。

人気者なんです、ほげちゃん。

その魅力は、なんといっても”表情”ではないでしょうか。

ふつうぬいぐるみはひとつの表情しか描かれませんが、ほげちゃんは、怒る! 驚く! 白目をむく!

なんとも表情豊かなんです。

それがセリフと一緒になると、とても面白い絵本になります。

ほげちゃんは、ほんとうに型破りなぬいぐるみなので、考えていることも驚いて笑ってしまいます!

あ~『ほげちゃん』の最後のオチ、みんなに見てほしい〜!!

ちょっぴり、ねこのムウがかわいそうなんですけどね。

よく思い出して

ここまではこの絵本の面白さについて書いてきましたが、よく考えるとゾッとしませんか。

この絵本では、ぬいぐるみがどんなことを考えているのか、とてもリアルに描かれています。

我々は勝手に、ぬいぐるみはとにかくたくさん遊んでもらえることが幸せだと考えがちです。

しかし、そうではないかもしれない!

そう気づいたときに、小さい頃を思い出してみて…ゾッとしました。

もしかしたら、ねこのうーちゃんに恨まれているかもしれない…と。

言葉が話せない動物や植物、おもちゃなどに触れるときは、つい自分の考えに基いて行動しがちです。

でもそうじゃいけないですよね。

ぬいぐるみなどに触れるときは、言葉が話せないからこそ、普段より相手の気持ちになって行動しないといけないはずです。

小さい頃だと難しいことだと思いますが、大人になった今この絵本で改めて相手の立場になることの大切さを学べば、今後役に立つ場面がくるかもしれません。

そんな教訓をおもしろおかしく学べる絵本『ほげちゃん』ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。