あ~予想外!!さすがのナンセンス!『チョコレートパン』長新太(福音館書店)

チョコレートパン 《happy》楽しくなりたいとき
画像出典:福音館書店

チョコレートの池でのできごとを描いた絵本です。

「ふむふむ。チョコレートパンをつくる様子を擬人化するとこういう感じかも」と思ったのもつかの間、まさか!と驚いて笑っちゃいます。

本当に予想外の展開でした!

でも、そこでチョコレートの”池”である理由と池のある場所に納得。

絵も文章もかわいいです。

特にパンの顔がゆるくて好きです。

最後まで読むと、チョコレートパンが食べたくなります。

こんなにも面白い絵本を作られ、ナンセンスとイコールで結び付けられた作者、長新太さんについて調べてみるとなんとも感動的なエピソードがありました。

10日前まで

作者の長新太さんは、東京生まれの男性。

漫画家としてデビューした後に、絵本作家となった方です。

代表作には『ぼくのくれよん』や『ゴムあたまポンたろう』などがあります。

ゴムあたまポンたろう…!?(笑)

長新太さんのことをインターネットで検索すると”ナンセンス”という単語が必ずと言っていいほど出てきます。

なんと土井章史さんが作られた、長さんを紹介する本のタイトルも『長新太 ナンセンスの地平線からやってきた』なんです。

それだけ”ナンセンス=長新太”の方程式は浸透しているんですね。

ちなみにナンセンスとは英語で”non sence”となり、日本語訳は”意味のないこと”です。

確かに!!

意味のないことから、こんなにもおもしろい絵本を作れるのは、本当に才能だと思います。

そしてその才能もさることながら、なによりも絵本作りへの意欲がすごい方です。

実は長新太さんは、2005年に病気で他界されています。

試し読みもできる絵本の情報サイト”絵本ナビ”によると、なんと亡くなられる10日前まで絵本制作をされていたということ。

享年77歳、仕事から離れ、ゆっくりと過ごされていても良いのではないかと思ってしまうご年齢です。

でも長さんは、いつまでも日常のあれこれを絵本にしたいと考えずにはいられなかったのでしょう、ほんとうの最期まで絵本をつくり続けていた。

天職とはこういうことを言うのでしょうね。

ちょっと長いのですが絵本ナビの【長新太没後10年記念連載】 担当編集者&絵本作家インタビューがものすごく感動しますので、ぜひ読んでみてください!

絵本でこのページは許されるのですね

『チョコレートパン』には文章がほとんどありません。

1ページにつき1行だけ文章がかかれていて、逆に重要度が増していると感じます。

それなのに「しーん」という文章のみのページが!

驚きです!

これは、おもしろいから許されるんですよね。

「しーん」という言葉が、むしろ時間の経過を表すいちばんシンプルな表現であるとさえ感じてしまいます。

ほんとうに意外性にあふれた絵本で、笑ってしまうこと間違いなしです。

そしてチョコレートパンが食べたくなる!

そんな『チョコレートパン』をぜひ読んでみてください。